みどみどえっくす

元NO.1風俗嬢がゲスに真面目にエロを語る

高校時代のヤリマンの話

過去私が見てきた限り、俗に言うメンヘラビッチは救いようがないけれど、明るいヤリマンっていうのはトキメキとロマンが止まらない。

 

私は女子高の出身だから割と早い段階でオンナのドロドロなんかを体験してきているし、やっぱり女子高っていうのは共学と違って、(共学に通った事がないから分からないけれど)多少はエッチな話がオープンに行き交う場でもあるのかな、と思う。

 

今日は、そんな女子高時代のヤリマンの話。

 

彼女(ヤリマン)は自分がヤリマンだという事を隠しもせず、毎日学校に来てはせっせせっせと昨晩の”おせっせ”について明るく語る。

やれ昨日の男はモノは小さかったが手マンは上手かっただの、やれ昨日の男は腐れ縁みたいなモンだから仕方なくヤっただの、あまりに明朗に語るものだから、何だか子供に返って日本昔話でも聞いているかのような心地良ささえあった。

 

でもつまらないセックスをしたであろう翌日の彼女は、実に不機嫌で。

「まぁ、こんな事もあるかぁー」

なんてどことなく諦めた表情の奥に、耐えきれない寂しさとやりきれない倦怠みたいなものを感じて、私は時々そんな彼女を同族のように感じてた。

当時セックスした事なかったくせに(笑)

 

そんな彼女は、級友達からは・・・まぁ、嫌われるよね。

先輩達からはもっと嫌われてたと思うし、後輩達からは何故かメンヘラ認定されてしまい、それこそ腫れ物扱いのようだった。

これはもしかするとヤリマンの宿命なのかも。

 

女っていうのは自分が到底出来ないであろう事を、さも当然といった顔をしてやってのける同性に対し嫉妬心を抱き、心底許せない生き物らしい。

芸能人の不倫とかで鬼女板が荒れに荒れるのが最も良い例。

 

でも彼女はそんな事を知ってか知らずか

「ヤリマンで何が悪いわけ?

別にアンタのオトコを食ったわけじゃあるまいし。

何かご迷惑でも、おかけしました?」

というスタンスをブレずに貫き通した。

 

私はそんな彼女を実にロックだな、と思った。

ちゃんとヤリマンとしての宿命を背負っているし、それによって発生する”税金”についても文句を言ったのを聞いた事がなかった。

まだ高校生の分際で、この上ないほどに男気溢れるヤリマンだった。

 

 

しかし私は高校生で、更にバイトも禁止だったしお小遣い制だったものだから、当時

「初期費用がかからなくて手軽に出来るスポーツなんかしたいなぁ、ジムには通えないし、やっぱジョギングかなぁ。」

なんて事を考えたりしていたんだけど、彼女はそういうノリでセックスに勤しんでいたのだと思うと「やっぱ東京ってのは恐ろしい所なんだ」とか思ったりもしたけれど。

 

私は当時、セックスの”セ”の字も知らない無垢な女だったから、当然キスもした事なかったし。

そんなんだから彼女の数々の武勇伝は、まるで私が子供の頃に夢見ていたディズニーランドのパレードのように非現実的で、すごくボンヤリとキラキラした未知な夢があった。

それこそ処女で芋くさい私から見たら、それはそれはファンタジーな。

 

そんな感じで、私はいつだったか学校のトイレでコッソリ見せてもらったエッチなAV動画と彼女の語る武勇伝でしか知らないセックスと、ディズニーランドのパレードを、キラキラしたファンタジーとして重ねてた。

 

それに私は当時から自分の欲望に素直な人間が好きだったから、もちろん彼女の事が大好きだったし、彼女の行く末を見てみたいなぁなんて思ったりもしてた。

超お嬢様なのにヤリマン、っていうギャップも相まって、私は明日もその次の日も、実にロックな彼女に会えるのがささやかな楽しみだった。

 

だけどいつしか酷くなるばかりのイジメに、彼女は遂に不登校になってしまって。

 

これはあくまで憶測にしか過ぎないけれど、きっと彼女の不登校っていうのは決してネガティブなものではなく。

好きな事やってるってだけでそんなに文句言われるなら、もう行かないでいいやっていう、あくまで自分軸に則った不登校だったのだと思う。

なんせロックな彼女だったから。

 

寂しいなぁなんて思ったけど仕方なかったし、まぁクラスに平和が戻るのならそれもそれでいいのかも、なんて事しか考えていなくて。

 

そういう意味では私はサイコパスだから、自分の中に最低限の美学や道徳を持ちながらも、人のそういうのを何とも思わないのだった。

ただ自分は加わらないし、やらないだけ。

明朗な彼女を見ていると、イジメられて可哀相なんて思った事がなかったし、彼女もそんな風に思われたくなかったと思う。

それに色んな人がいて当たり前だと思っていたし。

 

例えば私のような売女を

「汚らわしい!指一本触れてくれるな!」

と、同じ空気を吸っているかと思うと虫酸がなんとかとか騒ぐ人もいれば

「大変な仕事してんだな。すげーわ。何も言えねぇ。」

とか言って大抵こういう時は、彗星の如く北島康介の後釜が登場し、運よく労ってもらえる場合なんかもある。

 

外野からただ眺めて

「ふ〜ん、そんな人もいるんだ。あっそ。」

とか言って限りなくドライな人もいれば

「絶対に関わりたくない・・・怖い・・・」

みたいにゲテモノ扱いしてくる奴もいる。

 

どんな人がいてもいいし、どんな人がいても当たり前。

どんな言われ方をされたって構わないし、それが私の人生。

ただ、分かったフリをされるのだけは、絶対に嫌だった。

 

そんな感じで、私は彼女へのイジメとヤリマンである事実に対して

「そっか、お前、天パーで苦労してんだな。」

と、至って同等のノリでしか捉える事ができなかった。

 

それ以前に、私には助けてあげられるような度量も、度胸もなくて。

そういうのには、極力関わりたくないなぁって思ってた。

自分は昔イジメられてたくせにね。

 

 

結局彼女とは、不登校になったきり会えてないし、どうなったかも知らなかったんだけど、つい先日地元に帰った時に彼女を見かけて。

 

すごく太ってたし、身なりもすっかり変わってしまっていたから気付かなかったんだけど、彼女の方から声をかけて来てくれて、声ですぐに分かった。

彼女の明るくて澄んだ声は、それがいくら淫らでエッチな話だったとしても、日本昔話に聞こえるような穏やかさと優しさを孕んでいる。

 

私は親しい友人達には自分が風俗嬢だと隠した事がなかったから(かと言って、わざわざ自分からは言わないけど)、彼女も風の噂かなんかでそれを聞いたみたいな事を言ってた。

(誰だ、言ったの)

 

「人って見かけによらないモンだねー!

大人しくて喋らなかったアンタが、まさかプロになるとはね!あはは!

私はもう”現役”引退して、お母さんなんだー!

ほら、今、妊婦さん!

もちろん、ヤリまくってデキた子じゃないよ!

ちゃんと一途になったんだあ!

お互い、身体に気を付けて頑張ろうねー!」

 

なんて言って、あの時みたいに大口を開けて笑いながら、私の「バイバイ、身体に気を付けて」すら聞かずに去って行った。

奥歯の詰め物だけが変わっていなくて、とても懐かしかった。

 

私は堪らなくショックな気持ちと、嬉しいような、安心したような、とても複雑な気持ちになった。

 

一つは、あんなにロックで突き抜けていた彼女が、身体も含めすっかり丸くなってしまっていた事。

当時高校生とは思えないほど色っぽくて、ちょっぴり地黒。

短いスカートからスラッと伸びる足は、存在自体が犯罪級だったし、更には紺のハイソックスがとても良くマッチしていて、そんな彼女に”芋”な私はいつもドキドキしてた。

ワンレンでストレートのロングヘアーをいつも右手でかきあげて。

そんな大人びてた彼女が、今や髪もプリンでボサボサ、ノーメイクでシミが・・・まぁ、外見のことを言ったって仕方ないか。

これはエゴでしかないから仕方ないんだけど、人って変わってしまうんだなぁ、と。

もちろん、良い方向へ変わった事もあるわけだからそこは喜ばないといけないんだけど、あの頃の彼女はどこにも居ないように感じて、ちょっと寂しいなって。

 

もう一つは嬉しいことで、あんなに尖っていた彼女が、すっかりお母さんの顔になっていたこと。

ついさっき、変わってしまって寂しいとか言ったくせに、やっぱり嬉しさもあるんだな。

矛盾していて申し訳ないけど、でもどう転んでもオメデタイ事には変わりないし。

私は母になる予定もないし母性も著しく無いけれど、多方面の角が取れて表情まで変わった彼女に対して「母は偉大だ・・・」と柔らかくて屈託のない笑顔を見てそう思った。

 

そんな話を、帰宅してから親友に話したんだけど、親友は妙に納得してこう言ってた。


「俺が見てきたヤリマンも、ピーク過ぎると何故か太る奴多かったんだよね。

で、俺思ったんだけどさ、ヤリマンって自制出来ないタイプが多いんだよ。

食欲も性欲も、欲望の湧き出る量が一般人より遥かに多くて、しかも多分本当に男が好きでヤリマンやってる奴って少ない。

自分が一番可愛くて、自分さえ満たされればそれでいいんだよ。

逆に言えば、それくらい、自分しか見えないくらい、心に闇抱えてる奴が多い。

闇があるから、どんなに求めても満たされる事なんかないし。

しかも、よく食う奴は性欲強いしさ、性欲強い奴はやっぱりよく食うし。」


ほぇ〜〜、と納得。

まぁ、一概に自制心の課題であるとは言い難いとは言え、確かに一理あるな、と。

 

そういえば昔、ヤリマンの彼女が

「うちさ、父親出張多いし、母親は多分不倫してるんだよね。

親とあんま顔合わせたくないし、なんか肩身狭いんだよな。」

と言ってたのを思い出した。

 

寂しかったんだよな。

 

大口で笑う彼女の横顔と明るく澄んだ声の裏側に、ヤリマンの闇を見た気がして、ちょっぴり胸が痛んだ。

本当は、ロックで男気溢れる明るいヤリマンではなくて、そうでもして自分の居場所を作らなければ、保てない何かがあったのかもしれない。

明朗な語り口で紡がれていくちょっぴり刺激的でエッチな話は、自分の居場所をマーキングする悲痛な叫びだったのかもしれない。

やっぱり東京は恐ろしい。

 

日々、せっせと糞を食らって生きる私と、寂しさを埋める為にはヤリマンにならざるを得なかった彼女。

おかげでマーケットは被らないで済んだけれど、きっと彼女はこれからマジョリティの王道を行くようなオンナ。

もう寂しい思いなんてしないで、どうか今よりも更に幸せになれますように!